




今回ご紹介するのは、イタリア・ムラノ島の工房で制作されたオパールガラス製ベネチアンシャンデリア。ヴェネ中洲様に納品させていただきました。
光を灯すことで、ガラスの質感と発色が劇的に変わり、空間の印象そのものを変化させる力を持っています。
建築設計や商業空間の照明プランにおいて、「昼と夜で異なる表情を演出できる照明」は、単なる意匠性にとどまらず、空間全体の価値を高める一手となるはずです。
※写真のブルーの部分は写真の写りによるもので目でみるとブルーには見えません。美しい乳白色の艶感が光で強調されます。
点灯前後で変わる“素材の表情”が空間に奥行きを与える
画像は実際に納品したベネチアンシャンデリアの点灯前後の比較です。
- 消灯時は、乳白色のマットな質感が上品な存在感を放ち、クラシックかつ穏やかな印象を演出
- 点灯時は、光が内部から透過し、ガラスが発色を変え、幻想的な輝きと立体感が際立つ
この視覚的な変化は、空間の静と動を生み出し、時間帯やシーンに応じた演出が可能となります。
まさに、光とガラスの相互作用をデザインに活かす照明です。
オパールガラスの構造と光の関係
オパールガラス(Opaline Glass / Opal Glass)は、以下の特性を持つ素材です:
- 乳白色〜半透明の柔らかな発色
- 酸化鉛やリン酸塩を含む成分構成により、光を拡散・反射しやすい性質
- 光源を背面から当てることで、内部で反射・屈折が起き、透明感が可変的に変化
ムラノ島ではこのオパールガラスを17〜18世紀から伝統的に活用しており、意匠性と機能性の両立が求められる建築空間に適した素材として評価されています。
手仕事による一点物が持つ存在感
ムラノ島のベネチアンシャンデリアは、フルハンドメイドで成形・装飾が行われるため、一点一点に個体差があります。
- 花弁やリーフ装飾はすべてガラス棒を熱で引き、職人の手で造形
- 同じ型でも、微細な厚みや気泡の入り方が異なり、光の反射が一点ごとに変化
- 空間に合わせたサイズ・カラーの調整が可能で、商業施設や住宅への意匠設計に柔軟に対応
この“一点物ならではの揺らぎ”が、設計者にとっては唯一性の高い空間演出素材として魅力となります。
実際に導入いただいた空間での評価
「照明としてだけでなく、“空間を語る装飾要素”としてお客様の印象に残る」
「昼と夜で表情が変わるため、時間帯によって空間演出の印象を変えられる」
「素材の美しさと細部の造形が、建築素材と調和しつつ際立つ存在感を放ってくれる」
上記のように、住宅だけでなく高級レストラン・ホテル・美容サロン・迎賓施設など、幅広い設計・施工シーンで採用されています。
素材から空間をデザインする──“光で変化する照明”の選択肢として
オパールガラスのベネチアンシャンデリアは、単なる装飾照明ではありません。
それは素材そのものが「変化する設計要素」として機能する照明器具です。
建築やインテリアにおいて、「静的な完成」ではなく「時間によって変化する体験価値」を重視する時代において、
この照明が持つポテンシャルは非常に高いといえます。
こんな空間設計におすすめです
- 天井高があり、照明が空間のフォーカルポイントになる住宅設計
- 時間帯ごとの表情が求められる飲食店舗・ラグジュアリーホテル
- 独自性のある意匠性を求めるサロン・ギャラリー・ショールーム
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